あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

銀座じゃん!にびっくり

ブラタモリ』が始まったころ、タモリさんは東京を離れることができず、いつも東京近辺をブラブラしていた。そして人気や評判を集めているスポットなどまるで訪れることなく、毎回楽しい番組にしていて、タモリさんの知識や喋りの手腕に驚かされた。

 

それが、さしもの世界的長寿を誇っていた番組も、制作局の凋落ゆえかついに放送終了となり、「めでたく」東京に縛り付けられていたタモリさんも、日本全国は愚か、フランスやイタリアまでブラブラしに出かけることができるようになった。

 

それなのに、昨年来のコロナ禍でまたしても気軽にブラブラできない状況になり、再放送やらスタジオで過去の映像を見ながらおしゃべりしたりと、見ている側としても残念な展開になっている。

 

そんな中、「江戸城と東京」ということで二階建てバスなどで江戸城跡を巡る二週にわたる企画は楽しかった。

 

そのせっかく楽しい番組中に、思いがけない言葉を聞いてびっくりした。当時は江戸前島と呼ばれていたという重要なポイントに向かっていたバスの上で、アシスタントを務める女性アナウンサーが「銀座じゃん!」と言ったのだ。

 

友人同士のバスツアーではない。番組の主役であり、彼女からすれば祖父と言ってもいいような人生の先輩であるタモリさんに随行している仕事の最中だ。タモリさんは苦笑いして、彼一流のユーモアでその言葉をいじって笑いにしていたけれども。

 

そうして、プロ意識に欠けるその女性アナウンサー以上に私が不快に感じたのは、その部分を編集でカットすることもできたのに、それどころか、後編の始めのダイジェスト部分にも採用し、二週にわたってその驚きの部分を流したスタッフの判断だ。

 

おそらく、「お堅い」と思われているNHKのアナウンサーが、「じゃん」という砕けた言葉を口にしたその「ギャップが面白いでしょ?!」という感覚なのだろう。さらに言えば、それをカットせず流しちゃうNHKって「いけてるでしょ?!」ということか。

 

こんなことについこだわってしまう私は、かなりのへそ曲がりなのだろう。

 

 

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このバスに乗って、東京観光してみたい・・・。

 

 

ついでながら、「じゃん・だら・りん」で知られる三河弁は、語尾に「じゃん」を使うのはごく普通のことで、関東圏の人が持っているであろう「じゃん」という言葉への抵抗感はない。それでも私は公共の電波でアナウンサーが発したこの言葉には、驚きと不快感を覚えた。