あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

どうしても「いただく」を使いたいのなら・・・

今日も言葉の話題。楽しく見ている『先生のおとりよせ』だけれど、その中にも、昨日話題にした「いただく」が出てきた。

 

主人公の二人、作家の榎村(向井理)と漫画家の中田(北村有起哉)が出版社を訪れ、編集長(橋本マナミ)たちと新作のコラボ作品について話し合うシーン。二人はそれぞれお気に入りのお取り寄せのスイーツを持参するのだが、それを食べた編集長が感想を言う。

 

「榎村先生のお持ちいただいた〇〇は・・・」

「中田先生のお持ちいただいた〇〇は・・・」

 

お持ちいただいたのは編集長たちで、先生たちはお持ち「くださった」のだ。どうしても「いただく」という語を使って謙虚さをアピール(?)したいのであれば、〇〇先生「に」と、助詞を替えてもらいたいものだ。

 

世界ふれあい街歩き』も好きな番組なのだけれど、ナレーションの台本を書く人の日本語が少々お粗末だ。今回はスイスのベルンを紹介した2013年放送の番組だったが、地元の人に銅像のいわれを聞いた後、「いろいろ教えていただいてありがとうございました」と言っていた。昨日の旅行会社員のように「くださって」と言いたいところだ。

 

また、中世の街並みそのままのような美しいベルン市街を見晴らして、「絵描いたような街並み」とか、中世の地下倉庫をそのまま利用してお店にしているのを紹介するシーンでは、その地下倉庫の入り口のドアを「地面蓋してるようだ」と形容していた。

 

近頃こうした助詞の間違いも非常に多く、カタカナ語や若者言葉の氾濫より、日本語にとっては深刻な問題のような気がしている。小学校で英語教育をしている場合ではないように思うのだが、もしかすると、20年後あたり日本語から助詞というものがなくなっているかもしれない。確かに外国の人たちに日本語を教える時、助詞を気にしなければどんなに楽かと思う。思うけれども・・・。

 

と、二日続きで、なるべく避けていた言葉の話題を取り上げてしまった。話題にするにしても、できることなら昨日のように良かったことを取り上げたいものだ。でも、なかなか見つからない(聞けない)。

 

 

「アタシドリームです」って言うと、もう「ドリーム」のことが話題に上っていたってことが言外に感じられる。ひらがな一文字だけど助詞ってスゴイ!