あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

「NHKでやらなさそうなアレ」とは?

番組表によると、今日の深夜というかもう日付が変わってからだけれど、NHK総合で『NHKでやらなさそうなアレ』という番組を放送するようだ。深夜帯とはいえ、番組のタイトルである。「やらなさそうな」!

 

NHKのサイトでも堂々と番組の宣伝で取り上げている。

www.nhk.jp

 

アナウンサーのしゃべりの質が低下して、標準語の手本として参考にならなくなっているのはもうずっと前からだけれど、NHKはいったいどこまで低レベルになってしまうのか。

 

3月の下旬には、朝のNHKニュースの中で、自社の番組宣伝として「夜9時のニュースが一新」と紹介していた。画面の文字でもそう表記され、ナレーションもその通りだった。せめて表記は文字数を減らすためこうなってしまったとしても、ナレーションくらい「一新されます」と言えなかったか・・・。どうしても「一新」と体言止めにしたいのなら、「ニュースを」と助詞を「を」にしてほしいと思ってしまう。

 

文語調の表記が一般的だった昔なら「ニュースが一新さる」と、きっと「が」という助詞ならそれに呼応して受身表現にしたことだろう。今はこうした言い回しは使わないので、それならそれで助詞に注意を払ってほしいのだけれど、もうほとんどこのNHKのような表現しか見られないと言ってもいいほどの状況になってしまった。

 

NHKに就職するのは簡単なことではないだろうと思うが、この程度の日本語をきちんと書ける人もチェックできる人もいないのだろうか。それともこれらは全て下請けの下請け、NHKの責任ではないのだろうか。いや正社員の仕事だろうと何次の下請けの仕事だろうと、外部から見れば全て「NHK」なのだけれど。

 

 

ちょうど今日cangaelさんがアスリートがよく口にする「感動を与えたい」という言葉について書いていらした。

cangael.hatenablog.com

 

これも、見たり聞いたりするたびゾワゾワと嫌な気分になっていた言葉だ。初めはおそらくマイクを向けられたアスリートが思わず口にしてしまったのだろうが、それを陰でそっとたしなめる大人がおらず、しかもあろうことかマスメディアがまるで立派なことを言ったかのように讃えてしまったため、流行し、定着してしまったのだろう。

 

まあ、たかが言葉である。通じればいいと考える人もいる。またアニメ人気などの影響か日本語を話す外国人も非常に増え、ネイティブでない日本語話者が増えれば、簡便になり文法が乱れていくのも当然の成り行きだろう。

 

でもだからこそ、その芯にはまともな日本語を話す人たちがいて欲しいと思う。人間は言葉で考える生き物だから、緻密な言葉を扱え、感じ取れる文化を残したい。知らずしらず周囲に流されていってしまうけれども、今はまだ言葉に対して、思わず嫌だなとかザラっとした感覚を覚えてしまう自分の感覚を大切にしたいと思っている。

 

 

悲しいかな、味には大雑把です。