あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

しゃべりかた美人

今月のNHK『100分de名著』は『金子みすゞ詩集』だ。26歳で命を絶ってしまった詩人の作品は今やあまりに有名だけれども、今回私は指南役の松本侑子さんについて書きたい。

 

翻訳家で作家の松本さんは『赤毛のアン』シリーズを翻訳していらっしゃるそうだが、私の頃はアンと言えば村岡花子さんで、十代の頃、村岡訳のアンをむさぼり読んだ私だが、松本さんという方は存じ上げなかった。

 

この松本さんが、おっとりとした大変感じの良い話し方をなさり、非常に聞きやすい。テレビの中の人の日本語が、ストレスなしに聞けることは近頃なかなかないので、嬉しくて紹介したくなった。

 

丁寧すぎるわけでもなく、話の切れ目を上げたり伸ばしたりもせず、助詞が変に強くなることもない。つまり、今どきの変な癖が全くない。だから大変聞きやすい。残念なことに、日本人がごく普通に日本語を話すことに感動を覚えるようになってしまった。

 

そして改めて、きちんと話せることは何と素晴らしいことかと感じる。松本さんはそれでなくても十分美しい方だけれど、感じの良い話し方は、彼女をいっそう美しく感じさせる。残りの2回が楽しみだ。

 

 

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NHKのサイトより