昨日は民生委員の専門部会の研修があって、仲間とともに出かけた。私が所属しているのは地域部会なのだけれど、今回の研修のテーマは「外国人住民と共に暮らすまち、豊橋~外国籍市民の支援~」ということで、市の多文化共生・国際課の職員が話をした。
資料の中には豊橋市にある日本語教室の一覧もあって、その中にはもちろん国際交流協会に所属する私たちのふれあい日本語教室も掲載されていて、ボランティア参加している日本語教室ともかなり共通性を感じる内容だった。
実際、私の担当地域では、最近の赤ちゃん訪問は5件のうち3件から4件は外国の方の赤ちゃんという状況になっている。まだ生活面などの支援でかかわったことはないが、今後そうした局面も出てくるかもしれない。だからこその今日の研修でもあったのだろう。
講話の中で、担当者がかかわったケースの紹介があった。在日10年以上の人で、生活用品の製造工場で働き収入は手取りで10万円以下。妻には基礎疾患があり寝たきりで、収入の大半はおむつ代に消える状態で援助が必要だった。ところがこの方の在留期限が切れていたことで、支援も非常に大変だったという話だった。
そのあとも、豊橋市の外国人住民の現況や支援のいろいろな施策などの話があり、それから研修前にあらかじめQRコードを使って、各自のスマホにインストールしておいた翻訳アプリを実際に使ってみるデモンストレーションなどがあって、1時間半の講話が終わり、最後の質疑応答の時間になった。
私の前方に座っていた一人の男性が手を挙げ質問した。最初の支援の例に出てきた外国人のケースについてで、もう終了予定時刻も迫っているのに要領を得ない長々とした質問(いや何が聞きたいのか、なかなか分からなかった。結局はどう決着したのかということだったが)で、その中で「私たちは犯罪者が保険をうまく利用する手助けを、知らないうちにさせられかねない」というような言葉があって、私はちょっとびっくりした。
確かに、在留期限を切らせてしまうと「不法」滞在者になってしまうのかも知れないが、頭から「計画的に日本の健康保険制度を悪用する外国人」であるかのような犯罪者呼ばわりに、非常に抵抗を覚えた。困っている人に寄り添うのが仕事の民生委員の口から出たので、よりいっそう・・・。
同国人であり、しかも世間の水準から言っても非常に恵まれた報酬を得て何不自由ない暮らしをしているであろう議員先生方が、法に触れるような方法で裏金だの献金だのあやしいお金を懐にしているニュースが日々報じられているが、そうしたことにはその人はどんな思いを持っているのだろう。
罪は罪であるかもしれないが、所持金もなく空腹でこらえきれずに菓子パン一つを盗んだ罪と、政治家たちが秘書や会計責任者のせいにしている裏金着服などの罪が同じものだろうか。いや、実際は後者は罪にさえならず、たいていの場合、卑怯なことに逃げ切ってしまうのであるが・・・。
人間は知らないものには恐怖を抱く。しかし、幸いにもと言うか、豊橋市は外国人比率が5パーセントを超えている。民生委員なら機会の多い、地域の学校に出かければ、おそらくどの校区であろうとも外国人の児童生徒を目にすることだろう。
買い物に行くスーパーマーケットでも、出会っていることと思う。機会があったら、まずは先入観を持たず触れ合ってみてほしいと思う。昨日書いたことともつながってくると思うが、知りあえば、違う点より似ている点の方が多いと分かるかもしれない。
真っ赤な絨毯。なまず池公園の椿。