あとは野となれ山となれ

たいせつなものは目に見えないんだよ

しおれそうないきいきフェスタ

豊橋市では、毎年市民福祉の日を記念する行事として「いきいきフェスタ」という催しを開催している。その「市民福祉の日」というのが8月22日だそうで、この行事は毎年この時期の日曜日に行われる。

 

今日がその開催日で、各種関係団体が企画するイベントと同時に、福祉に貢献した個人や団体の表彰式も行われる。民生委員は毎年出席を余儀なくされているのだけれど、1時間半ほどのその式典の空疎さに耐えるのはなかなかにつらかった。 

 

私もかつて音訳ボランティアをしていた時に、所定の年数を経過したらしくこうした表彰をされた(受ける受けないの打診がなかった)ことがあったが、賞状だけならまだしも、ご丁寧に額縁に入っていたので、捨てるのにも苦労した。市長や社会福祉協議会長などの名前の表彰状をもらって、皆さん本当にありがたいのだろうか(今回私は地域の老人会の会長職が5年経過したらしく対象だったようだが断った)。

 

そしてそれ以上につらかったのが、「来賓祝辞」だ。2人の衆議院議員、市議会議長・・・。賞状を手渡す際もそうだが、この祝辞に立つ時も、いちいち仲間側に礼をし、相手側に礼をし、そして背面に掲げられた国旗に礼をして登壇し、また同じことを繰り返して席に戻る。これで大半の時間を占める気がする。

 

あまりの茶番に、途中からいいかげん逃げ出したい気分になっていた。こういう形骸化した式典が好きなのは主に「おじさまがた」ではないかと思うのだけれど、私の偏見だろうか。権威が好きでありがたがり、だから賞状など貰えば人は喜ぶものと思い込んでいる。こんな空疎な「形式」のために日曜の朝9時前から出かけ、半日を潰すなんて!

 

 

豊橋に戻ってきて間もない30年ほど前、当時付き合っていた人に誘われてこのフェスティバルを見に出かけたことがあった。ホールで行われる表彰式と並行して、屋外のテントなどでさまざまなお店が出ている。コロナ後は大分簡素化されてしまったが、当時はまだ大々的にいろいろなお店が出ていて賑やかだったが、なぜ「福祉」と名のつく行事をこんな暑さ真っ盛りの時季に行うのだろうと疑問に思ったのをはっきり覚えている。

 

当時は私もまだ40代の初めだったので平気で出かけた(暑さも今ほどではなかったような)が、今なら迷いなくお断りだ。高齢者や障碍者などがおもな対象なのだから、もう少し気候の良い時にして欲しいものだ。福祉の日が8月22日というのも、ネットで調べる限りなぜこの日かすらわからない。どうしてもこのあたりでなければならないということもなさそうだ。これもお役所のつごうか・・・。

 

 

コロナ前のいきいきフェスタのようす。 (東日新聞さんのサイトより)