旅の二日目は一人で弘前市内観光。あいにくの雨。この日が雨なのはずっと前からわかっていたので折り畳み傘は用意していたが、折り畳み傘は、畳むたびに置き場所に悩む。宿のご主人がビニール傘でよければどうぞと勧めてくださったので、ご厚意に甘えて一番大きなものをお借りして出かけた。
天気が悪いので当初予定したところをいくつか割愛したけれど、伝統的建造物群保存地区に始まって、弘前公園の外周沿いに歩いて藤田記念庭園とその中の大正浪漫喫茶室(ここで名物のアップルパイと紅茶をいただく)を楽しみ、それから旧弘前市図書館を見る。
中には地元の出版社から出されたたくさんの書籍が展示されていて、文学の街弘前がしのばれる。住んでいた頃に、雪や寒さに閉ざされるので人は内向し、ものを書くようになると聞いた。舅の説だったか・・・。
青森銀行記念館。
この建物の近くに3年間住んでいたのだけれど、中に入ったのは初めて。
私が住んでいた頃はたんなる古いれんが倉庫だったものが、美術館として生まれ変わっていた。100年以上昔の建物。日本酒やシードルの倉庫だったものが、現代美術作家・奈良美智さんと出会って美術館へと導かれる。
弘前昇天教会。私が住んでいた頃はこの教会のそばにれんが倉庫があった。この周辺は細い道路が入り組んでいたが、整備されてすっかり変わっていた。
昇天教会からまっすぐに見える、土手町の名物一戸時計店の時計台。時計屋さんも大変だと思うが、健在で嬉しかった。
これらを見たあと、息子たちと3年間「我が家のプチバブル期」などと言って楽しく暮らした瀟洒な借家(青銀記念館を建てた堀江佐吉ゆかりの堀江工務店の施工)を見たくて探したのだがなかなか見つけられず、諦めかけた時、建物の間からその家が垣間見えて、再会することができた。
夜は津軽三味線のライブハウスに出かけ、懐かしい郷土料理に舌鼓をうち、情熱的な津軽三味線の演奏を楽しんだ。
けの汁 ほたて貝味噌焼き
この日は雨の中1万5千歩以上歩き、2、3日右足が重かった。