あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

やはり書いておこう

2月に『木曜日にはココアを』を読んで、そのあとすぐリクエストしたと思うので3か月くらいは待っていたと思う『月曜日の抹茶カフェ』が届いたという電話をもらい、すぐ受け取って、そして楽しくてあっという間に読んでしまった。

 

青山美智子さんの作品で、『月曜日・・・』は『木曜日・・・』のスピンオフのような作品。同じ人も登場するし新しい人も。そして1月から月ごとの物語が、東京と京都を舞台に綴られる。

 

どれも心温まる素敵な話ばかりで引き込まれ、本当にあっという間に読んでしまったのだけれど、もしかしたらこれは、『本を守ろうとする猫の話』で言われていたような口当たりの良い楽な読書なのだろうかと思い、ブログで紹介するのは控えこのまま生涯学習センター(旧市民館)に返却しようと、今日クリニックに3週間前の特定健診の結果を聞きに行く時に持って出た。

 

そして順番待ちの間に読み返していたら、そのこまやかで温かな物語に再び引き込まれ、やはりこれは記録しておきたいと思い、帰り道でセンターに寄るのを取りやめそのまま持ち帰った。

 

マーブル・カフェの定休日の月曜日に、たった一日開いた抹茶カフェ。京都の老舗茶問屋のひとり息子の吉平が、前作に登場した「マスター」に勧められて、東京支店開店前にほんの気まぐれのように開いたもの。

 

その抹茶カフェを皮切りに、登場した人とどこかがつながる人の話がどんどん広がっていく。人と人はどこかで繋がっている。この人と繋がったその前の人、その前の人・・・とさかのぼっていくとわからなくなるけれど、確実にいる。で、「マスター」は言う。「さかのぼっていくと、つながっている手がどこまでも無数に増えていくんだ。どの手がひとつでも離れていたら、ここにはたどりつけなかった。どんな出会いも顔もわからない人たちが脈々と繋いできた手と手の先なんだよ」。

 

さらに続けて言う。「でも一番素晴らしいのは、遠いところで手を繋いできた人たちが、自分がどこかで誰かを幸せにしてるかもしれないなんてまったくわかってないことだね。それがいいんだ。自分の身の回りのことに取りんだ産物が、あずかり知らぬ他人を動かしたってことが」。

 

別に大それたことをしなくてもいい。今、自分の身の回りのことに、心を込めて取り組もう・・・という気持ちにしてくれる。ネット上のレビューを読むと、この本を読んだ多くの人が、温かな気持ち、優しい気持ちになれると言っている。どんでん返しで意表を突いたり、細かな伏線回収があったりはしない。洒落た比喩が使われたりもしていない。けれども、自己責任論が吹きすさぶこの厳しい時代に、気持ちを優しくしてくれるこういう読書は、やはり大切なものではないかと思う。

 

午前中に8割がた書いたところで停電になった。わりと広域かつ原因不明ということで、近頃には珍しく復旧まで少々時間もかかった。もしも消えてしまったらと思いあわててワードにコピペしようと思ったのだが新しいワードファイルが開かず、仕方ないので既存のファイルに付けたし上書き保存した。けれども幸いはてなの下書きは無事に残っていた。

 

昼時だったので時分どきにはきっちり食べたい私のお腹は空腹を強く訴えていたが、台所はIHなので何も食べることができなかった。30分ほどだろうか、めでたく復旧し昼食にありつくことができた。あとはほぼ画像をアップすれば・・・というところまでいっていたのに、その画像の取り込みもできなかったが、今こうしてブログも無事更新できる。当たり前に電気のある有難さ!