またしてもテレ東の深夜ドラマに心をつかまれている。原田知世さん主演の不思議なスナックを舞台にしたお話『スナックキズツキ』だ。これまた原作はコミックで作者は益田ミリさん。
目立たない裏通りにあるうえお酒を出さないスナックで、いつもお客さんは一人だけだし、そのうえ注文もされていないお料理まで出してあげたりして、どうして経営が成り立っているのかまるで謎なお店だ。ひょっとして店主のトウコ(原田知世)さんは「グッドウィッチ」?
誰にもありそうな日常のちょっとしたストレス、それが運悪くいくつか重なって心が落ち込んでしまった人が、導かれるようにたどりつくスナックキズツキ。初めてなのになぜか懐かしい雰囲気の店内や、おっとりふんわりとしたトウコさんの接客に、明日からの日常への力をチャージして帰っていく。
傷ついてお店にたどりつく客が、それぞれつながっていて、ある人にとって傷つける側だった人が、その人の側に立って見ると、やっぱり誰かに傷つけられている・・・という連鎖の設定もとてもいい。この世には絶対的悪人も絶対的善人もまずいない。ある人に傷つけられてとげとげした心が、また次の人への攻撃の棘となってしまうということはよくあることだろう。
次々登場するゲスト出演者も成海璃子さん、平岩紙さん、塚地武雅さんなど渋い顔ぶれなら、エンディングの曲は森山直太朗さんなど、深夜の30分ドラマにしては豪華な布陣で、ささくれがちな時代に生きる私たちを慰めてくれる。
はなさん(id:puru-m3919)じゃないけれど、鋼のメンタルと思っていた私も、ああ、疲れているのかなと痛感する。