土曜日は、8時開店のパン屋さんにTと二人で行く。あとで「あのパンが欲しかった・・・」と思っても、人がいっぱいで後戻りできないからと事前に教えられていたが、この日はそれほど混んでいなくて買いやすかった。家に戻ってみんなで朝食。食パンは切る時にまだほんのり温かかったとか。
日曜日は、朝食を終えたあと3人で仁科神明宮へ。さほど遠くない大町にある国宝の神社だが、Tは『神様のカルテ3』でこの神社を知り、著者夏川草介氏の素晴らしい描写に魅せられ、ぜひ訪ねてみたいと数年前に夫婦で訪れたそうだ。
息子夫婦が行ったときは彼ら以外誰もおらず、本で紹介されている通りの森閑とした雰囲気だったそうだが、昨日は紅葉シーズンでもあるからかそこそこの人はいた。それでも杉の巨木に囲まれた境内を歩くと、自然の雄大さに打たれ、それに対してなんと人間は小さいものかと思わず知らず謙虚な気持ちになり、心を洗われるようだった。


国宝の本殿。拝殿からさらに登ったところにひっそりとある。

惜しくも枯れてしまった元御神木。巨大さがよく分かるように、左側に人物を入れた。
神社を拝観したあとちょうど昼時だったので、蕎麦屋を探す。一軒目は小さな駐車場がいっぱいで入れず二軒目に入ったが、これが当たりだった。大町は現在は少々元気がない感じだが、きっと昔は「塩の道」でにぎわっていたのだろう。どちらの蕎麦屋もくねくねと細い路地にあり、ほかにも以前は商店だったとおぼしい家があちらこちらに。しっかり町ができてしまっていたために区画整理もできず、昔の街並みのままなのかと感じた。
腹ごしらえもすみ、天気は素晴らしいし、もう少し私の観光と運動のためドライブを続ける。「ガラス工房」というところを訪れ、そのあとその隣にある「田淵行男記念館」というところを見学した。このあたりには小さな美術館や記念館がたくさん存在する。
仁科神明宮の駐車場のそばに、熊に注意するよう喚起する看板があり、珍しがって写真を撮る私にTは「もう、一人だけ都会っ子なんだからあ」とふざける。

熊に注意の看板。
霞もかからず晴れ渡った晴天で、山はくっきり美しく見えて素晴らしいドライブ日和だった。今日の外出は階段が多く足元も少し注意が必要な場所だったが、「ここ段差があります」とTはこまめに声をかけてくれるし、手すりのない階段では長男が手をひいてくれて、安心して楽しむことができた。