あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

25年前のトヨエツ、そして可愛いカップ

私の地域では、今25年前のTBSドラマ『愛していると言ってくれ』が放送されている。当時は忙しくてドラマを、と言うよりテレビをあまり見ていなかった(息子たちが見ていれば、家事をしながら見る程度)ので、このドラマが評判なのは知っていたが見たことはなかった。

 

32歳の豊川悦司さんが、聴覚障碍者の画家を演じているのだが、現在の男臭い豊川さんとはまるで違う佇まい。まず、なんという透明感だろうと驚いた。そして触れたらたちまち怪我をしそうな鋭さと、がさつに扱ったら壊れそうな感じもする。そうだ、まるで美しいガラスでできた鋭利なナイフだ。

 

現代は、女装すればみなウットリするような美女になってしまう、優しげなイケメンばかりなので、この25年前のトヨエツの魅力は新鮮に感じる。

 

そのトヨエツのちょっと影のある画家と対照的に、常盤貴子さん演じる水野紘子は、とても健康的で明るく元気な女優の卵。健聴者と聴覚障碍者カップルでも、LINEが使える現代では考えられないが、なにしろファックス付きの電話が十数万円もする25年前(これをローンで買うために、彼女はバイトを増やす)のことゆえ、このカップルには様々な行き違いが生じる(これだから恋愛も盛り上がるのかも知れないとさえ思う)。

 

2020年特別版の冒頭に、現在の豊川悦司さんと常盤貴子さんのリモートの対談がある。25年という時間を考えると、すでにドラマの中の彼らは、息子や娘であってもおかしくないわけで、ガラスのナイフのトヨエツが、貫禄のおじさんになっていて何の不思議もない。男性の場合は、それがむしろ魅力を増しているとさえ言えるところに羨ましさを覚える。

 

女性の場合は、どんな風に年を重ねれば、魅力を増すことになるだろう。柔らかなお母さんらしさなどと言えば、セクハラになりそうだし、貫禄のおばさんでは素敵さを見出しにくい・・・。

 

「魅力的な五十代女優」で検索すると、一番に石田ゆり子さん、二番に天海祐希さん、三番に黒木瞳さんがヒットした。確かにどなたも綺麗で魅力的だが、どうもトヨエツさんのようなインパクトには欠ける。やはり年を重ねることについては、女性は分が悪い。

 

SPYBOYさん(id:SPYBOY)さんが絶賛していらしたイザベル・ユペールさんのような女優は日本にいるだろうか。どうも日本では自立した大人の女性は好まれないので、こういうタイプの女優さんは生まれにくいのかも知れない。

 

 

ところで、昨日の喫茶店のコーヒーカップが素敵だった。

f:id:yonnbaba:20200831131301j:plain

ノリタケの「ポートショア」だと思うのだけれど、カップを持ち上げたら、ソーサーの隠れた部分に描かれていたのが葉っぱで、洒落てる!と感動。そしてコーヒーを飲み終わろうとすると、カップの底から花が現れた。すべて実であれば何でもないが、葉と花というのが気が利いている。