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健気な幼稚園児と優しい大人たち『コタローは一人暮らし』

そろそろ後半に入りつつある今期のドラマを語るなら、思わぬ掘り出し物の小品『コタローは一人暮らし』に触れないわけにはいかない。

 

舞台は、二階建て各階3室のさびれた小さな「アパートの清水」。売れない漫画家狩野進(横山裕)の隣の部屋に、訳あり5歳児のさとうコタロー(川原瑛都くん実際は7歳らしい)が引っ越してくる。なかなかしっかりした5歳児なのだけれど、狩野はじめ周囲の気のいい大人たちは彼を放っておけず何くれと面倒を見る。

 

アニメ「とのさまん」が大好きなコタローくんは、自分のことを「わらわ」と言い、腰にはおもちゃの刀を差し、日常生活すべて殿様のような言動。普段使いなれない言葉ばかりで大変だろうと思うが、コタロー役の瑛都くん、なかなかの好演だ。

 

コタローくんがかわいくて好演という以上に、周りを固めるベテラン陣が豪華で、同じアパートに住むおかしな住人に生瀬勝久、狩野のところに来る編集者は大倉孝二、コタローを陰ながら援助する弁護士事務所の所長に光石研という具合。

 

そして極めつけは、アパートの清水の一室に住む大家夫妻がイッセー尾形の二役で、ほとんど他の出演者との絡みはないが、毎回イッセー尾形ミニ劇場のような感じで物語の中に夫婦のシーンが挟まれるのだけれど、これが毎度秀逸でクスリとしてしまう。

 

そして気づかないで見ていたけれど、コタローくんが見ているテレビアニメ「とのさまん」の声は滝藤賢一さんだそうだ。

 

コタローくんが一人暮らしせざるを得ないことの裏には、現代のありがちな事情が潜んでいそうだけれども、アパートに風呂がついていなくて銭湯通いする狩野とコタローのようすなど、ほのぼのシーンがふんだんにあって、私たちが便利でキラキラした生活の代わりに失ってきたものを思い出させてくれる。

 

 

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