今年最後のふれあい日本語教室。私の担当するグループは2名だが、今日そのうちの一人は持病の受診のため欠席だ。
一人だけとなったFさんは、かつて教室全体でも生徒がたった一人という時期を経験している。何人ものスタッフに囲まれて学習者は自分一人で、プレッシャーが大変じゃないか、やめてしまうんじゃないかと心配したが、そんな時期を乗り越えて、もう5年以上通ってくれている。
このFさんはとても社会的な関心が高く、テキストから離れて話題が日常の話などに広がった時、時事的なニュースに関する話が出てきたりして驚かされる。今日は一人だけという気安さもあったのか、Fさんのこうした話がたくさん出て、テキストはちょっぴりしか進まなかったが、テキストを進めることが目的ではなく、むしろこうして話したいことをいっぱい話してもらうことが何よりの勉強だろう。
今日はシリアのこと、スペインの首相が水害対応が遅くて批判されていること、北朝鮮の兵士のことやベネズエラ・エルサルバドルの話などを聞いた。権力者が私腹を肥やしスイスにお金を貯めていることなど、そんなにお金を貯めても幸せにはなれないのにねと大いに共感した。
身近な話では、地元の大手食品企業が非常に温度の低い環境で、たくさんの外国の人を使って作業させているということを聞いた。事前に説明があって、報酬などと共に納得の上で働いているのなら良いけれど、どうも今日の彼女の話しぶりではそうではないような感じだった。
他の国でもっと良い条件で働けるようになれば、きっとそうした人たちはサッサと日本を離れてしまうだろう。これだけ外国の方たちの労働をあてにして社会が動いていて、しかも少子化は進むばかりなのに、10年後20年後がどうなるか、企業の経営者や為政者は考えているのだろうかと思う。
また来年元気に再会することを約して、どの学習者も明るい顔で帰って行ったけれど、ご家族ともどもみんなこの豊橋での生活が、楽しく幸せなものでありますようにと願う。