あとは野となれ山となれ

たいせつなことは目には見えないんだよ・・・

マスコミはどっちを向いて仕事をしているのか?

都知事選の結果は、分かっていたことではあり、しかも都民でもない身であるのに、非常にがっかりしている。まして投票なさり、本意でなく再び女帝の支配をお受けになる方々のお気持ちは察するに余りある。

 

それにしても、Twitterの情報によれば、投票締め切りの午後8時になると、場所によってはまだかなりの方が投票のための列を作っていたにもかかわらず、小池候補の当確が報じられたそうだ。こんな失礼なことがあっていいものだろうか。

 

並ばないと投票所に入れないなどということは、今まではまずないことだっただろう。それでも、終了時刻ギリギリに入場した人は、手続きなどで少々時間がずれるから、これまでだって、「ゼロうち」とか言われる瞬時の当確が出た場合は、結果が判明した後の投票ということもあったのかもしれない。この有権者を馬鹿にしたシステムを放置しておいていいものだろうか。

 

そもそも、この出口調査にしても、選挙後の開票速報番組にしても、報道機関は力の入れどころが間違っているのではないかという気がする。選挙後の池上さんなどの番組へのコメントで、「こういう情報を選挙後でなく、選挙前に知りたかった」という意見を目にしたことがある。

 

そうなのだ。選挙民は、投票前にこそ候補者の情報が欲しい。テレビというのは非常に雄弁なメディアで、言葉をどう取り繕おうと、表情や態度からなんとなく人柄がにじみ出てしまうものである。それも、候補者が一人で言いたいことを言う政見放送でなく、討論形式にすると非常にわかりやすいと思う。

 

都知事選では、このテレビ討論を切望する声がTwitterにあふれていた。それなのに、討論どころか、都内でも7月5日が都知事選の投票日であることが信じられないほど、投票日の告知さえもなかったらしい。森元首相ではないけれど、「無党派層は家で寝ていて欲しい」と思う向きの力が働いたのだろう。

 

トップが国民を軽んじ舐めているため、いまやこの国は報道機関までも、国民のために仕事をする気はないように見える。いや、首相との度重なる会食(アンド、政府電通だし)で、本来の権力の監視などという使命は忘れ、すっかり自分たちも「上級国民」側、支配側の人間と勘違いしてしまっているようだ。

 

 

民主主義は手間のかかるシステムだという。それは報道が本来の権力の監視という仕事をしたうえでも、だ。まして今の日本のように、マスコミも司法も市民の味方ではなくなりつつある状況で、民主主義を機能させるのは至難のこと。私たちには長い苦難の道が続くが、諦めたり嘆いたりしてはいられない。コツコツと、着実に、一歩一歩、前に進んでいくしかない。今のところ、これが一番マシなシステムなのだから。

 

 

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どうか本来の使命を忘れたマスコミに天罰を! (boketeさんのサイトよりお借りしました)